楽山舎通信

わたじん8の日記です

BRM413宇都宮400 ランドネきたかん西周り走りました

平成31年4月13・14日
BRM413宇都宮400 通称ランドネきたかん(西廻り)完走。

自転車シーズンイン。しかし、今年の春は、冬場に期待はずれだった雪山のコンディションが、なぜか遅れてピークを迎え、極めて稀な残雪コンディションを保っていて、貴重な休日の使い方にほんとうに悩む。

自転車で夜通し400キロを走るというのは、何が魅力なのかと問われれば、やはり、「そこにある、そこにしかない一種のサドル上の恍惚」とでも表現できようか。

大雑把に、半分は夜間走行なので、西廻りと東廻りでは、見える景色が全く違う。今回は、キャンセル枠でのエントリーとなり、西を選択。次回も参加するなら、迷わず東廻りにしよう。何しろ、見える景色が全く違うわけで、同じブルベで同じでないのだから。

今回は、いまだかつてない凡ミス発生。
夜の寒さと昼間の陽気の差を克服するのが、たぶん最大の課題であると予想し、事実、それがポイントなのだろうと思うが、「とりあえず」想定される温度に対応するために、基本的に冬装備。すると、400キロにしては携行品が増える。家から持ち出す装備の量がとんでもなく多くなり、その影響でもないが、ツール缶を玄関先においてきたことに、出走直前の準備段階で気がついた。

今まで、ブルベ参加中にパンクしたことは、たぶんないと思うが、パンク処理やら機材トラブルへの対応能力がない状態で出走するというのは、やはり常識的にはありえないのだが、山登りと違って、それなりに現地調達できるのが、自転車ロングライド。スマホ自転車店を検索し、開店時刻と通過時刻を照らし合わせつつ、スタート。

参加定員が120×2で240名という、ブルベとしては超大型イベント。スタート・ゴールの宇都宮ろまんちっく村は、駐車スペースにも余裕があり、久々のイベント参加でモチベーションも盛々と上昇。

8時5分のスタート。とにかく完走が目標で、スローペースで頑張りすぎないのがテーマだったのでゆっくり。といっても、序盤はどこかのトレインの中に吸収されるので、自分のペースに合う人達のグループを見つけるというのが、最初のポイント。アベレージ25キロくらいのグループで序盤を走る。平地なので、場所によってはアベレージ30くらいが普通かもしれないが、とにかく、信号ストップの回数が半端なく、自分はこれでペース整えるのに苦労した。ふだんは信号のない場所を選んで走っているので。

自分にとっての最初のハイライトは、走行方向の右手先に、「富士山のように真っ白で美しい山」が見えだした頃。北関東で群馬方面に走っているので、それが最初から「富士山」であることがわからなかったが、「浅間山のわけはなく、かといって赤城山があんなに白いわけもなく、その独立峰は富士山以外にありえない」という答えにたどり着くまで、たぶん20キロくらいは走った。北関が、埼玉県内に入るということは、実際に走ってみてわかったことだったが、富士山が富士山であるとはっきりとわかるようになり、テンションあがりまくった。4月中旬の富士が、あんなに白いとは。たぶん、2月あたりには、全山真っ白にならないくらいの積雪状況の写真を目にしていた。この冬は、ピークが4月上旬だったのか。

時系列で振り返ると、歴史的な建造物の目立つ町並みの街道筋があったなあとか思うのだけど、今回は、スマホ以外に写真を撮る準備をしていなくて、しかもそのスマホは、ガーミンのナビゲーションがダメになった場合の最終兵器だったので、写真撮影は最初から諦めていたが、やはり、記録書くならそれなりに写真の数は多くなければいかんと振り返る。

そういえば、今回は「コマ図」(アナログなナビゲーション情報)が公開されていなくて、キューシート(右左折等のポイントを表で羅列)とガーミンのナビゲーションで走ったのだが、ガーミンはエッジ130のナビ機能を初めて使ってみた。
結論から言えば、これは使える。ただし、400キロくらいになると、ポイントの端折り方が激しいのか、「だいたいこっち」ぐらいのアバウトさになるので、基本的にはeTrexを併用せざるを得ない。eTrex使ってるなら、エッジのナビはいらないだろうと思うかもしれないが、使ってみると、その便利さがわかるはず。eTrexは、バッテリーの関係から常にディスプレイを見ていることは難しいが、エッジは常にディスプレイがオンの状態なので、その違いは大きい。

川幅の広い利根川を渡り、本庄の町中を「埼玉だなあ」と思って通り抜けて再び群馬に入る。利根川を中心とした関東平野から、次第に群馬の山際に入っていく。

西廻り最初の山は、標高差140mほどの観音山。富岡側から高崎市に抜けていく。そもそもが平地のコースだと、これだけでもけっこうな山に見える。というよりも、桜の名所らしく、車の渋滞が半端なく、その左側スレスレを走り抜けるテクニックの見せ場になる。マジで。
しかし、中には意図的なのか無意識なのか、幅寄せしている車がたまにいて、自分は自転車降りて歩道側にお仕上げた。ちなみに、歩道側も歩行者が多く(山なのに)自転車走行は不可能。下りに入ると渋滞は緩和し、見どころと思われる観音様に参加者の自転車が多数止めてあったが、自分はスルーし、写真も取らなかった。風景的には、このあたりの桜並木はハイライトだったかもしれない。

高崎から前橋に抜ける。山から降りてくると、このあたりの道路は大都会に見える。再び利根川を渡り、自転車も押し上げられる大きな歩道橋に上がって、富士山とあたりの景色を写真におさめてみた。そこからちょっと走ると群馬県庁。立派な建物すぎて、さらにはマスコットのぐんまちゃんなるものがあるらしく、足を止める。

前橋市街を離れると、一気に登りに入っていく。赤城山大鳥居をくぐるあたりで、カメラクルーが待機していて、一人ひとり撮影していた。わりとキツめの坂で、ゼーゼー言って登るシーンか。

そのまま赤城山に登るわけではなく、これも風景としては割と馴染みのある畜産試験場の交差点を右に曲がり、赤城山麓をくねくねと走り始める。

標高的には最も高所と思われる156キロのPC3。時刻は16時48分。ここのクローズは18:28なので、1時間40分ほどの貯金。余裕ではない。が、このペースで走り続ければ完走はできそう。というか、このPCでも自転車立てかける場所が見当たらないくらいに参加者が多くて、前後30分に30人から40人くらいは走っていると思われる。が、走り出すと、意外にソロなのである。

国道353号線。東国文化歴史街道とネーミングされている。
個人的に、福島方面から、金精峠通れない時期に沼田(尾瀬の入り口)に抜ける時に、この道路はかなり走っている(もちろんクルマで)。くねくねとしたアップダウンの続く路。日が落ちると急激に寒くなり始める。このブルベで最も高い、標高440mを超えて、大間々まで下り。その後もずっと下り基調で100キロ先まで行ける。

このあたりで、東廻りの参加者と交差。30キロくらいずれている感じだけど、東は1時間早いスタートなので、だいたい合ってるのか。

PC4 栃木市藤岡町には20時39分。山岳エリアが終わっていることもあり、平地はそれほど寒くもないが、大間々の前からゴアテックスのアウターを着ている。そういえば、この時期のウエアは、自転車専用のものよりも、登山用の中間着などのほうが体温調整がしやすい。上りと下りで、状況は全く変わるが、その度にアウターを着替えるわけにも行かず、汗で濡れたまま下りに入っても、身体を冷やさないウエアであることが、長い時間の快適さの違いになり、後々のダメージの大小を左右する。この時期のウエア選択は、ほんとに重要なポイントだけど、これは自分が経験して自分にとって最適な重ね着アイテムを見出すしかない。

PC4過ぎてすぐに、サイクリングロードに入る。が、ナビで走っていると、その下の道路を走っていても表示は同じで、「あれ、これはどっから上がるの?」的な。でも、ちゃんとサイクリングロードに上がっていないと進めなくなるのである。この渡良瀬サイクリングロードも、快適であったが、真っ暗で景色は見えず。夜景は見えているが。

PC5 茨城県桜川市。時刻は23時28分。天気は良くても、じっとりと濡れる。ゴアテックスジャケットはマストアイテム。
ここから、最後の山場。個人的には、これ登ったら終わりかなと思ってる峠。問題は、下りで予想される寒さとの戦いか。上りで頑張りすぎず、汗かかないのがポイントか。スプロケットが32Tまでついてるのに乗り出すと、28Tぐらいのには乗れなくなるな。マジで。ちなみに、フロントは52-36で、いわゆるセミコンパクトなので、コンパクトクランクの34Tでリアが32Tというのとは、たぶんだいぶ違うと思うが。

あまり記憶もなくて峠区間終了。普通に眠い時間帯なので。

PC6 321.6キロ 水戸。時刻は2時52分。
手前の、千波湖に映る都市的な景観が美しかったが、写真取るための停止なし。この時間帯の都市部を自転車で走る人たちってのも、なんか異様ではあるが。歩いているのは、ほとんど酔っ払い。

ひとけのない場所の信号もきちんと停止。まあ、当たり前なんだけど。すると、右からパトロールカーが回転灯付けずに通過。深夜の自転車乗りは、無用な職務質問受けないためにも、というと言い過ぎか、交通ルールは自転車乗りのお手本クラスで守るというのが、ブルベ参加者か。いや、マジで自分の前後の参加者のマナーはお手本クラスだったが。

残りがのぼり基調の80キロ。さすがに眠くて辛かったが、暑さでダメージの大きい時期と違い、胃腸が健全に保たれていることもあり、補給がうまく行っていた。

水戸から茂木経由で宇都宮に帰る路は、大筋は何度も走っている路ながら、細かいところはナビ任せ。

夜も開けて、道の駅もてぎでトイレ休憩。この頃、ツインリンクもてぎに向かうと思われるクルマ(たとえばポルシェとか、あきらかにそれとわかる集団)が多く、そのエンジンのサウンドが心地よい。

PC7 372.6キロ 芳賀。6時27分。道の駅で休んだこともあってLG21のヨーグルトドリンク1本飲んですぐにスタート。

程なくして、「24時間切り」を目指していると思われる6人ぐらいのトレインに乗りかけたが、信号なんかでちょっと離れたと思っているうちに、追いつけないぐらいにちぎれてしまった。とりあえず、明日からの仕事にダメージ残さないってのもテーマのひとつなので、「だいたい24時間」で良い(笑)

ゴールのろまんちっく村に到着すると、「うつのみやサイクルピクニック」という大規模な自転車イベントのスタート時刻に重なってしまい、「え、ゴールはどこ?」状態。
見たことないくらいの自転車乗りが所狭しと走り回り、探し回っている時に東廻りのちゃりけんさんと遭遇。

やっとのことでゴールのテントにたどり着いて、設置したばかりのテントで8時4分、チェックを最終チェックを受けた。

8時5分スタートなので、23時間59分。で、24時間切っているとはいえない時間ではあったが、だいたい出走前の想定時間でゴールできた。

とりあえず、機材トラブルなしで良かった。
ほとんど自転車乗りしてないわりには、身体のダメージもほとんどなかった。
ふだん、どっちかというと山岳ブルベが多かったけど、ランドネきたかんのコースは、よくできていて楽しい400キロコースであった。

 

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スタート地点、宇都宮ろまんちっく村。8時5分のスタート組

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10:30 PC1栃木県佐野市藤岡 

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富士山見えて大はしゃぎ

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プチ山岳セクション。観音山?

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高崎市の烏川と国道17号を渡るポイントからの富士山

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歩道橋の上から高崎市内を走る参加者の図

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ランドマークとしての高崎市役所

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群馬県庁。肝心の建物入ってなかった

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前橋の中心市街地走る参加者

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23:25 PC5 なんと、前橋からここまで一枚も写真撮らなかった。暗くなったのもあるが

 

平成31年2月24日日曜日 快晴 安達太良

平成31年2月24日日曜日 移動性高気圧に覆われ全国的に晴れ。

遠出するほどには時間の余裕がなかったけど、おそらく、今シーズン最高の天気の日曜日に、山に登ってないという話はないと思い、一番近い安達太良山の一番はやいコースにスキー担いで向かった。

スキー場の駐車場について準備していると、「あ、別のシール持ってきちゃった」
我ながら、このボケ方はひどい。「シール忘れた」じゃないのが救いだが。幅が持ってきたスキーに合っていないし、古めのシールで効き目がイマイチという、それだけのことだが。いずれにしても、アイゼン持っていればシールで登ることはなかろうという読み。

7時ちょい前にスタート。登山道とゲレンデの境目で、しばし悩みつつもゲレンデ脇を登りだす。ゲレンデ登り終わる頃に、パトロールのスノーモビルがすごい勢いで上がってきて「ゲレンデ歩行禁止です。登山道に入ってください」と、猛烈な勢いで注意された。ああ、イエローカード2度目。土の見えてるゲレンデ脇登ってるのは、何に影響があるのか知らないが、安達太良スキー場の登山者ゲレンデ歩行禁止令は、異常なほどにピリピリしている。

人工降雪機のないエリアは、すでに滑れない状態まで雪が消えている。今年は、これでシーズン終了だな。

ツボ足で登っていたが、アイゼン履いたほうが楽と思われて、装着しているときに後続の二人組に追い越された。一人は、スノーボードザックにつけているが、アイゼン履いていない。

程よく絞まってクラストしたコンディションが、非常に登りやすく、サクサクと登頂。風もそれほど冷たくなく、フェイスガードなしで大丈夫だった。

山頂で写真撮って、ブッシュが埋まらなかった五葉松平への滑降を諦めて、矢筈森へ向かう。この前のときよりも雪は少なめで、ほんとにシーズン終了という感じの少なさ。

アイゼンでサクサクと矢筈森に登り、滑降準備。
今シーズン初のテックビンディング
これが、ステップイン一回ではどうにも決まらない。
状態の悪い場所では、一度で確実に決めたいところだが。

アイスバーン新雪のまだらという、リスクの高い斜面。
ジャンプターンと横滑りで急斜面を慎重に滑り降りて、振子沢側の源頭部に乗り換える。こちらのほうが、多少滑りやすい。あっという間に峰の辻の下まで。
ここから下は、前回のときよりも雪の付き方が良くて、くろがね小屋の下まで滑り降り、その勢いで登山道を滑り出す。

コチコチに固いので、いい感じにスピードが出て、緩斜面から若干登りもうまく乗り越えられ、そのまま勢至平超えて馬車道。やはりブッシュが埋まらずに、基本的に馬車道滑降。

とりあえず、安達太良登って滑ってきたよ、と言えるレベルのアクティビティであった。

平成31年2月16日土曜日 東京で

平成31年2月16日土曜日。
東京でアート鑑賞と某OB交流会参加。

東京ステーションギャラリーアルヴァ・アアルト もうひとつの自然」から日本民藝館柳宗悦の「直観」 美を見いだす力」そして、東京オペラシティアートギャラリー石川直樹 この星の光の地図を移す」へ。
3本鑑賞。

アルヴァ・アアルトフィンランドの建築家)展は、もう少し軽めの展覧会かと思っていたが、見応えがあった。

曲線の使い方が、なんとも絶妙であり、アアルトの工業製品のデザインは、現在の北欧系の家具にそのまま現れているという解釈で良いのか。
家具のデザインにしても、多くの示唆を受けた。

東京駅で昼食のあとに、おそらく学生時代以来の京王井の頭線で、駒場東大前に移動。
日本民藝館。初めての訪問。
建築やってたら、今まで見てないって、どういうこと、みたいな。もっと早くに訪問しているはずの場所。まあ、設計屋じゃないんで。
やはり、空間というものは、写真見てても何もわからないといってもいいくらいに、打ちのめされた、そんな感じ。
展示されている美術品よりも、民藝館の建物と、西館の柳宗悦邸の建物そのものに打ちのめされた。
そして思うのは、自分の中の「内なる美意識」は、良いものに触れることによって、間違いなく高めていくことができる、ということ。
経験、学習。テレビやインターネットで何かを知ることもそれなりに知識となるが、やはり現場で実物を見る、体験するということは、その先の人生を変えるほどに、大きな意味を持つと実感。

時間配分を気にしながら、井の頭線明大前駅に行き、京王線に乗り換えて初台で下車。降りてすぐの場所にある東京オペラシティ、そのアートギャラリーへ。

石川直樹 この星の光の道を写す」

開場の、「東京オペラシティ」。
空間の構成が、「なんかその気になる」いい感じ。
建築物が持つ力の一つは、その空間そのものが、ひとの感性を刺激し、モチベーションを高めることである。
アートギャラリーは、規模としてはそれほど大きくはなかったし、石川の写真も、アートとして見ると、インパクトの大きいものがたくさんあるというよりも、割とありふれたスナップを大きくした感じだったが、まあとにかく、お客さんが多かった。年齢層は30代が多いという雰囲気。7割は女性か。
オペラシティは、この次は音楽鑑賞で行ってみたい。

京王線で隣駅の新宿に出て、山手線乗り換えで高田馬場へ。
このパターンの乗り換えは、学生時代に何度か経験して以来なのだが、人混みがすごすぎて、「オレは新宿嫌い」確定。
東京駅の混雑とは、明らかに異質な緊張感。

そういえば、遅ればせながら、この度スマホの「Suica」デビュー。新幹線から全て「ピッ」で通過の衝撃。
もう、新幹線の切符買うことはないだろう。

 

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東京駅丸の内北口

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アルヴァ・アアルト

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日本民藝館

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日本民藝館

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この星の光の地図を写す

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この星の光の地図を写す

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この星の光の地図を写す