楽山舎通信

わたじん8の日記です

2024年度はじまり

FMファン的に、この4月の番組改変は大きな出来事である。

FMファンといいつつも、NHKFMの話に限定されてしまうが、3月で終了した番組数の多さ、4月からの時間帯の引っ越し案件では、2年前を遥かに凌ぐ量ではないかと思う。

まずは、「古楽の楽しみ」。開始時刻が、6時に戻った。昨日朝のX(旧ツイッタ)では、この変更を喜ぶ「民民」のポストが祝祭感覚であった。

2年前に、それまでの「6時」から「5時」になり、6時からが中学生の基礎英語の時間になったことを書いた私のブログは、長い間アクセス数がダントツ一番のブログになっていた(私のブログの中で)。「2年の実験」が終わり、この間の不評を認める形で6時に戻った、と言って良いのかと思う。私も、NHKに時間帯変更の要望を送っていた。

語学番組がNHKFMの中に混じってきたのは、2年後に予定されているAM放送のラジオ第2の廃止案件に絡んでいる。6時台だけではなくて、7時台にも英会話の番組が入り込み、ふだん私は、7時台通勤の車の中でFMを聞いているのだが、この2年はAMのラジオ第1を聞くようになった。

この7時30分からの英会話番組は、2024年度からは23時からの時間帯に引っ越し、朝7時台に「クラシックカフェ」の後番組となる「クラシックの庭」が戻ってきた。今週は「クラシックカフェ」の再放送の最終週なので、ある意味貴重な一週間である。

23時30分から1時間半の枠に語学番組が新たに入ることで、この時間帯の番組も大きく変わった。4つの番組が終了。23時台に放送されていた番組の中では、アルフィーの「終わらない夢」だけが、時間帯を引っ越して生き残った。

23時台の番組が大きく変わったことで、この時間帯の番組の再放送枠だった18時台も大きく変わった。ここに来たのは、「夜のプレイリスト」の後番組「マイ・フェイバリット・アルバム」。元々この午後6時は、「夜のプレイリスト」の再放送枠だったので、戻ったことになる。

ミュージックライン」も語学番組の影響を受ける形で、30分短縮の45分番組になった。が、再放送枠ができたことで、新たなリスナーは増えるのかも。60台の私も、この番組はたまに聞いていた(NHKFM流しっぱなし)。

3月で終了した番組の中で、最も大きなニュースは「ワールドロックナウ」の終了だろう。

音楽評論家の渋谷陽一氏(72)がDJを務めるNHK-FM「ワールドロックナウ」(毎週土曜後9・00)が30日に放送され、病気療養中の渋谷氏不在のまま、1997年4月5日の放送開始から27年の歴史に幕を閉じた。」(スポニチ

土曜の夜は、片山杜秀さんの「クラシックの迷宮」から渋谷陽一さんの「ワールドロックナウ」というのが、私にとって自然の流れだった。「クラシックの迷宮」は、普通のクラシック番組とは大きく違い、違和感なくロック番組につながる感じだった。

ワールドロックナウ聞いてるだけで、ロック系ジャンルの最新情報もそれなりに仕入れていた。「ノンジャンル」でなんでも聞く私にとっても、貴重な番組だった。渋谷さんの紹介の仕方は、DJとして、やはりプロ中のプロである。振り返れば、中学生の頃からラジオで渋谷さんの声を聞いてきた。

新しい番組の方で注目するのは、江﨑文武のBorderless Music Dig!

「“新しい”音楽は、常にジャンルの狭間で生まれている!」がコンセプトで、昨年の夏に単発で放送されていた番組が月一回ではあるがタイムテーブルに入ってきた。この番組は要注目だ。ちなみに、このタイミングで江崎文武さんはNHKFMの「NHKクラシック」というジングルを作成し、私は最初に聞いた時に、これは坂本龍一さんかと思っていたが、江崎さん作成のものだった。3月31日には、ブルーノート東京で「初」となるソロ公演を開催し、私はこれを配信で見ていたが、弦楽を入れたピアノ三重奏が紡ぎ出す音楽は、ジャズとクラシックの融合的な感覚だった。ゲストでサックス奏者の上野耕平が一曲演奏したが、かれもクラシック畑の演奏者ではある。若手の音楽家たちは、クラシックやジャズというジャンルにこだわることなく、素直に自分が作り出したい音楽の世界を表現できるようになっている。

ちなみに、江崎さんの番組枠は、挾間美帆さんの番組枠の最終週。彼女も要注目の若手ジャズ作曲家でありジャズオーケストラを率いる指揮者である。この才能も、今までなかった。

レギュラー枠ではないプロトタイプの放送として、「石若駿 即興と対話」という番組が3月31日に放送された。私は聞き逃しで聞いたが、この番組は「505スタジオ」で収録されたようで、「セッション505」の話題が出ていたし、もしかすると、2022年で終了してしまったNHKFMの老舗番組「セッション」の後番組のようなニュアンスもあるのかも、と期待してしまった。実際、その場限りの日野皓正との即興が放送された。不定期番組は、年に何度か突然来るので、チェックを忘れないようにしよう。

というわけで、2024年のNHKFMは、語学番組の時間帯変更案件ひとつとっても、2年前よりはるかに期待できる編成になったのである。

 

 

東北一周サイクリングが高2の春休みだった理由

福島県立安達高等学校100周年の記念誌が届けられた。

卒業生の一人として、寄稿させていただいた。この機会を与えていただいたこと、改めて感謝します。

記念誌は、寄稿とインタビューだけで122名の文章があり、その他にも100年分の情報が割りと細かい活字でびっしりと凝縮されていて、100年分の卒業生、歴史があるということは、こういうことかと素直に驚いた。

私は高校時代、山岳部に所属していて、インターハイに出場したことなどから依頼が回ってきたのだったが、寄稿文の半分は高2の春休みの自転車旅行について書いた。私自身の個人史としては、高校3年間で、最大の出来事はインターハイ出場ではなく12日間の自転車旅行だったからだ。

インターハイ経験者は何万人もいるだろうが、少なくとも安達高校の卒業生で、12日間のサイクリングをした人間は、それほどいないだろうと思ったからだ。ただし、部活等ではない個人の活動は、本人が黙っていれば、あるいは記録を上げて置かなければ、誰にも知られないわけで、「隠れ達成者」みたいな感じで、実は100人以上いたりするのかもしれない。私が中学高校の時代は、自転車ブームで自転車店もたくさんあり、趣味として自転車乗っている同級生もたくさんいた。

今回の百周年記念誌の寄稿者の中に、同じように自転車で東北一周をしたことを書いておられる人(10年先輩)がいた。私は、太平洋側から青森通って日本海側、新潟まで回ったので、ルートは全然違うけれども(その方は日本海側にまわってない)、10日かけて自転車で単独のツアーという点では、貴重な「同族」という感じだ。

その方は、高3の夏休みに行ったようだ。そうだよな。自転車で東北を旅行するなら、まだまだ寒くて降雪の心配もある春休みではなくて、夏休みにする。

なぜ私は、夏休みではなくて春休みだったのか。

当時、山岳部だけではなくて、シニアスカウトでもあった私は、夏休みに個人的に10日以上を連続でスケジュールすることが不可能だった。「やるなら春休みしかない」という状況だったのだ。ちなみに、その春休みは、自転車旅行出発の二日前まで山岳部の行事で雪の安達太良山の中にいた。私は高校3年間、新聞配達のアルバイトをしていたのだが、この春休みに関しては、4月の始業式まで休みをもらっていたのだろう。家にいたのは3日だけだった。

たかだか17歳、18歳くらいの高校生が見ている世界は、実に狭い。しかし、中学生の頃から比較すると、ものすごく世界が広くなったように思われて、どこでも自由に羽ばたけるような気もした。事実、中学と高校では、1年とか2年とかしか違わなくても、思考にも行動にも自我においても、全く別の世界が展開すると言って間違いない。

あの12日間の単独サイクリングは、「春休み」だったからこその厳しさがあり、それでいて人の暖かさもあった。写真も記録もきっちりと残していて、今にして思えば、当時の自分を尊敬してしまう次第。

当時の私は、植村直己ラインホルト・メスナーに心酔し、名を残す冒険者になるべく、それなりに自分自身の目標を達成し続けていたのだが(山岳部以外の個人的活動で)、その後東京の大学に進み、自分の見ていた世界が、いかに小さかったか、自分の思考能力の程度がいかに低いかを思い知るのであった。

 

高校時代の東北一周で青森県に入った時



自分の身体を知る GARMIN INSTINCT 使っているが

登山やサイクリングが趣味の私が、「心拍計」を取り入れたのは、ロードバイクに乗り出した2009年のことだろう。バイクにつける「サイコン」サイクルコンピュータ、速度や距離を表示する小型のメーターに、「サイクリンク」というシマノ製の新製品を導入した。これは、心拍数を計測表示記録できて、パソコンでそのデータを管理できるという、たぶん当時としては「最先端」的なサイコンのひとつで、私が購入したということは、それなりに手に入れられる価格だったのだろう。もちろん、シマノ製のサイクリンクよりも前に、ガーミンなどの海外製品もあったわけで、それに手が出なかったのは、やはり価格的な問題があったからだろう。

このサイコンの導入により、私のサイクリングは、心拍数を見ながら「適当に抑えながら」の走りになった。

このサイコンを付けた自転車が2年後に盗難に遭い、振り返ると短い付き合いだった。

次に導入したのは、ボントレガー(TREK系)製の心拍数の出るサイコンだったが、同じ頃に、ガーミンを使い始め、以後ガーミンにはまり込んできた。

ナビゲーション系は、DAKOTA20 で始まり、eTrex Touch35.eTrex32 と続き、サイコン系は、EDGE130から530で利用中。もちろん、その全てで心拍数の記録計測ができる。

そして、ここが本題なのだが、腕時計タイプのGARMIN活動量計として導入した最初のものは、vivofit で、たぶん2018年。たぶん、短期間に合計3台購入したが、外すの忘れてMRIかなんかに入っては壊し、雪山でいつの間にか落とし、といった具合に、「付けているのを忘れるバンド」は、私の中では短命の利用に終わってしまい、結局は現在利用中のinstinct に落ち着いた。スマートウォッチでもあるので、日常使い、あるいはアクティビティでの利用を含めて、この腕時計からは、文字通り離れられないだろう。

今悩んでいるのは、機種更新で「2」を買うか買わないか、というあたりだ。

普段使いでは、特段問題を感じていないが、登山において、高度計測と心拍数の計測の精度に問題が発生し、「まあ、買い替えだよな」としばらく前から思っていたわけだ。

先日の会津駒ヶ岳スキー登山では、心拍数も標高も全く当ての外れた数値を表示し、参考値にもならなかった。普段、あるいはサイクリングではそこそこの精度だが、山に持っていくと問題が起きる。心拍数をみて「40」なんていう数字にびっくりし、「死ぬんじゃないか、オレ?」と、頸動脈を視診で測ったりする始末。心拍数見て自分の活動を管理しているヒトになっていると、これで「異常な数値」を見るのは、ほんとうに「心臓に良くない」のである。この感覚がわかるだろうか。まさか、自分の腕時計の数値を見ながら、「ああ、オレはもう終わりか」なんてことを思うことにはならないだろうが、気温の低い雪山で独りでいると、そういう妄想が意外に現実味を帯びているのだ。もうほんとうに、「心臓に良くない」のである。

そんなこともあり、instinct2への買い替えを検討中なのだが、平常な環境に戻ると、スマートウォッチとしても活動量計としても普通に使えるので、「まあいいか」と思ってしまう私なのである。

山に入った時だけ不調になるの、なんとかして。