楽山舎通信

わたじん8の日記です

2022年4月1日 新年度だけど週末の金曜日

近所のおじさんの訃報が入ってきた。最後に会って話をしたのは、私の母が亡くなった昨年の夏のこと。老人会の会長で、極めて大勢の地元の方々に弔事を送っていた方であったが、長老的な存在感ゆえ、悲しみも大きい。

ご冥福をお祈りいたします。

バタバタと4月1日。

叔父さんの七回忌を明日に予定していて、私は喪主ではないが、いろいろと特殊な状況で段取りに追われる。自分で入れた予定ながらも、予定に引きずり回されるバタバタ感が否めない。

3月16日の地震で、CDが大量に落下し、だいたいは無事だったが、プラスチックのケース破損が10枚ぐらいあり、その中の1枚はCD本体も割れてしまった。

CDは、ほとんどはパソコンで読み込んでしまうので、本体が割れても問題ないはずだったが、その1枚は、なぜかPCに取り込んでいなかったCDで、しかもけっこう思い入れのある1枚でもあり、新しいのを注文してしまった。

ヘンリー・パーセルの「束の間の音楽」MUSIC FOR A WHILE

ヘンリー・パーセルは、17世紀、バロック時代のイギリスの音楽家で、私の印象の中では、素朴な声楽曲が多い。いや、ほんとはオペラ作品の印象を残すべきなのだろうが。しかし、このCDは、純粋にパーセルの音楽ではなくて、アマゾンのレビューの中には、「こんなパーセルは認められない」みたいな意見もある。

「ヨーロッパでは絶大な人気を誇る」古楽アンサンブル、「ラルペッジャータ」によるパーセル音楽を元にした「インプロビゼーション」である。

私は、2年ほど前のラジオ(NHKFM)でこの音楽を聞き、けっこう深い衝撃を受けた。というのは、聞いていた番組は「オペラ・ファンタスティカ」という、NHKFM金曜午後のオペラのためのプログラムだったのだが、その番組の中で、「パーセル」として紹介されたこの音楽には、さすがに耳が止まった。仕事から帰宅をはじめるクルマを運転しながら番組を聞いていたが、ある交差点の角を曲がる風景と、ラルペッジャータの音楽がリンクして、まさにその時の「時が止まった」記憶が音楽とともに振り返られる。

たぶん、当日のオペラファンタスティカのメインは、パーセルのオペラで、「残りの時間」の中で紹介されたのが、パーセルの「つかの間の音楽」だったのだろう。メインのオペラが何だったのかは、仕事中だったので全く記憶になく、帰りのクルマの中で聞いた「つかの間の音楽」だけは、後でチェックしてCDを注文するまでのお気に入りになった。オペラファンタスティカという番組は、メインのオペラ作品を紹介したあとの「残りの時間」で紹介される音楽が侮れない。

ところで、先々週のNHKFM朝6時の「古楽の楽しみ」は、ジョン・ダウランドを特集していた。ジョン・ダウランドヘンリー・パーセル、イギリスを代表する古楽の音楽家であるが、何故か今、すこぶる良い。こういうタイプの古い音楽が、好きである。

とりわけ今、ロシアによるウクライナ侵攻という、21世紀とは思えない「戦争」が起きている世界の中で、素朴な「つかの間の音楽」が、時代を超えて心を癒やしてくれるのである。

というわけで、地震で割れてしまった1枚の代替となるもう1枚を手に入れて、そのCDを聞きながらブログってみた。