楽山舎通信

わたじん8の日記です

2024.02.25(日) 会津駒ヶ岳スキー登山

暖冬の2024シーズン。2月最後の日曜日に、私の中では定番の会津駒ヶ岳へ。

3連休ではなかったが、24日の土曜日も休みで、土曜のほうが高気圧におおわれて好天予報だったが、ちょっと出かけられずにくもり予報の日曜日にでかけた。私の自宅から片道3時間半の場所。同じ福島県内でも、ほぼ県外の距離だ。

月が最も小さく見える「スノームーン」の満月の夜、ドライブが楽しい。道路に雪はなく、それどころか南会津に入っても、地肌の見える山がある。暖冬で少雪シーズン。私の感覚では、一ヶ月分季節が違う。

午前2時ころに檜枝岐のテニスコート脇の駐車場到着。満月でテンション高め。とにかく雪が少ない印象。

夜明け前の5時40分起床。6時45分、標高930mの駒ケ岳登山口から出発。昨日のものらしきしっかりしたトレースは、凍結してガリガリ。かといって、最初からクトーつける感じでもなく、林道ショートカットから再び林道に出るまでは、シールのみ。冬道の谷を上り詰めるところで、後発の単独行スプリットボードの二人に抜かれた。谷から尾根に上り詰めたところで、シール登行を諦めてアイゼンに切り替えた。ガチガチでアイゼンがよく効く。

ブッシュ帯の尾根から標高1345mで登山道に合流するブナ帯の台地に乗り上げても、雪面が硬いのでそのままつぼ足アイゼン登行。付け替えの時間がばかにならないロスなので。高曇りの空模様で、急に天気が悪化するようには見えないが、時折アウターなしだと厳しい風が来る。先行のスプリットボード2名がブナ帯の中でも全く見えない距離関係になる。そろそろシールの買い替えか、と思いつつ塗り替えたグルーがまだ効くので、今シーズンも買い替えを見送ったが、他の人が登れている斜面が登れないぐらいのトラクションになると、さすがに買い替えか。というか、スプリットボードは幅広の分トラクションが全然違うのだよな。私は、残雪期はつぼ足アイゼン登行にしてしまうので、シールの買い替えが見送られてしまう。もう一つは、スキーの買い替えとのタイミング。今使っているシールは、一つ前の世代のスキーに合わせたもので、微妙に幅が合わない。還暦超えて来ると、この趣味での装備の買い替えタイミングに悩むな。

昨日のものと思われる滑走痕とつぼ足のトレースがガッチリしていて、アイゼン登行でもサクサク登れる。久しぶりに来ると、ブナ帯の景色が抜群に素晴らしいし、オオシラビソへの切り替えのあたりの植生の変化も、好きだ。ブナ帯からオオシラビソ帯の間で、下山する人5人位とすれ違う。時間的には、小屋泊まりかテント泊?なのだろうか。

1990の独標の尾根に乗り上げると、駒の頂上がよく見える。しっかりしたトレースはガチガチで、アイゼンがよく効く。踏み抜きなしで登りあげるくらいに硬かった。天気は悪くなっていく予報なので、とりあえず休まず登る。小屋の上ですれ違ったツボ足の下山者は、今日登って降りる人の一番乗りの方、だな。たぶん、先行者は単独行が3名と見ていた。森林限界超えたこのあたりは、前も後ろもよく見えるが、後ろには人影なし。自分の中では、アイゼン登行選択が間違いなしのガチガチの雪面。しっかりしたトレースができていて踏み抜きはない。

山頂直下で先行者のボードの方とすれ違う。滑走音がガリガリ

10時48分。会津駒ヶ岳登頂。いやらしい感じの風が当たってきて、長居は無用。さっさと滑降準備を整えて、視界がなくなる前に滑降開始。雪面はガリガリと若干フワフラのマダラ。慎重に何度かターンしながら、小屋の下の斜面の樹林帯をくぐり抜けて、高度落とさずに1990の独標の尾根へ。ガチガチなので、登り返しがスムーズなのは良いが、ターンは難しい。と言っても、全体的に言えば、ブッシュの出ていない上部はどこでも滑られるので、「ヤッホー」な領域ではあった。前日のシュプールの多さが、それを物語っている。1日違いでコンディションは全く別物。それが、雪山。

会津駒ヶ岳で、5月の連休にヘリスキーがあった時代(1990年頃)、最後の林道に降りるコースは、登山道の北側の斜面の中だった。南側はブッシュが酷くて使えないので。この北側のコースは、私も何度か使ったことがあるが、壮大な雪崩痕を見てからは、この谷を敬遠するようになった。しかし、この日はそっちのコースを検討すべきだった。

まあ、わかっちゃいるけど、ブッシュがひどすぎてまともに滑られないのが、登山道から南側の尾根に沿ったショートカットのコース。自分の中では、過去最大に難儀した。

出ているブッシュを避けて華麗にターン、なんて技もなく、横滑り、横滑り、で急斜面の高度を下げ、斜滑降キックターンを多用して安全第一で高度を落とす感じ。

前日の土曜日に登山した人には、信じられないコンディションかもしれない。杉林の中のショートカットコースを滑ることは回避して、林道を流して下山完了。林道の途中で板外すこともなく、ストックで漕ぐ必要もなく、まさに「流して終了」。

テニスコートの駐車場に置いたクルマに戻り、コーヒー淹れて一人反省会。このひとときが好き。駐車場の路面は乾いていて、すでに春スキーの感覚だ。いつの間にか1000円に上がっていた「燧の湯」に入りに行き、「露天風呂は3時からです」でさらに残念だったけど、まあ独占状態で温泉入れたので良しとする。

 

 

 

 

2024.02.18 箕輪山スキー登山

暖冬の2024年。ウインタースポーツ好きにとっては、「もう冬終わりか」的な気温が続く。それでも、山はそれなりに白い。山に見える雪線のラインは、じわじわと高度を上げていき、今オープンしているスキー場が、果たして10年後にどのくらい残っているのかを考えると、ぞっとする。単にウインタースポーツが消えるということだけではなくて、地球表面の温度が上がることによる、果てしない影響を思うからである。

2月中旬になって、やっとシーズンインである。正月休みは、能登半島地震の発生で、山に入ろうとするモチベーションは消えてしまい、読書三昧だった。

先週の連休は、仕事に追われて休めず、それから数日は安達太良連峰がはっきり見える好天が続き、それなりに雪があるように見えた。

クルマの移動に使う時間が、往復1時間で済むのが、地元安達太良の良いところだ。若い頃は物足りずに南会津に頻繁に出かけていたが、地元でもそれなりに楽しめる。

箕輪スキー場の反対側となる東側にはルートはないが、気がつけば20年以上通っている。冬場に入山している回数で言えば、安達太良山本山よりも圧倒的に多い。行動時間が短いが、ルートをすべて自分の判断で選んでいくので、経験値としては高くなる。

「今日行かないで、いつ行く」な快晴の朝だった。前日もその前も好天だった。

朝起きて、ひと仕事してから装備を準備し、9時登山開始の計画書をWEBにアップし、セブンで大雑把に食料買い込んで出発。国道115号土湯道路は、仕事で頻繁に走っているので、あたりの雪の少なさには今更驚かない。景色は、3月中旬のそれだ。

野地温泉方面にあがる旧道は、乾いたアスファルトが見える。まさに3月の景色だ。このまま、ヤブが埋まらずに雪が消えていくのだろうか。まさに「異常」な冬だ。

西鴉川の源頭の大きな谷を回った先にある駐車帯にクルマを置いて入山。しばらく降雪がなかったからか、雪面はガチガチで、登りやすいと言えば登りやすいが、少し傾斜がきつくなるとスリップが多くなる。甘く見てスキーアイゼンを持ってこなかった。

風が強く、行けるところまでで良いかと思いつつ、ブナ林の中をひたすら登るが、ヤブの回避とガチガチの雪面から、普通ではありえない標高からのアイゼン登行。効率的だ。

スキーのほうが快適に登れる斜面になっても、履き替えの時間ロスが頭をよぎり、そのままアイゼンでオオシラビソ林の台地まで登りあげる。最後の急斜面の数十メートルが緊張の連続だった。ウィペットもピッケルも持ってこなかったのを悔やむ。ミスって滑落したらどう止めるか、いやミスれない、と、一歩一歩の蹴り込みと体重移動を慎重に実行した。

安達太良連峰東側で唯一のオオシラビソ林がある台地に到着し、ホッと一息。風は強いが、気温が高いのか、それほど辛くもない。

アイゼンからスキーに履き替えて、オオシラビソ林に沿って箕輪の山頂を目指す。久しぶりの登山だが、身体のパフォーマンスは悪くない。「ああ、これがオレだよな」と、何度も見てきた最高の風景の中で独り言を繰り返す。やっぱり、こうでなくっちゃ。

オシラビソ林を抜けて、森林限界からの大斜面。見える風景がいつもと大きく違う。ダケカンバ類の低木が埋まってなくて、北よりの斜面が灌木帯に見える。スキーの跡さえつかない大斜面の上を、トラバース気味に登りだしたが、「ああ、これは無理」と、斜度がきつくならないうちにアイゼンに履き替える。アイゼンの爪が気持ちよく効くくらいの硬さで、サクサク直登できる。風が強いが、そのまま箕輪の山頂目指して直登していく。シュカブラの波はそれほど深くなく、雪面も自分の感覚ではフラットに近い。しかし、ガチガチの部分と若干フワリの部分のマダラが激しく、快適な滑降は難しそう。

とりあえず、いい感じのペースで箕輪の頂稜に到着。そこから「山頂」表示の登山道までが結構長いのだが、いつもは落とし穴だらけのシャクナゲ主体の灌木帯が、雪でほぼフラットに埋まっている。しかも、アイゼン履いたつぼ足でもそれなりに進める。積雪量は絶対的に少ないはずなのに、ここがフラットに埋まっているというのは、強風の日も少ないからだろうか。謎だった。

鉄山方面に、人の姿が見えた。

低い雲が流れているが、360度の展望はよく、動画撮影してインスタグラムにアップしてさっさと滑降開始。

頂稜の南側をトラバース気味に高度落とさず東面に回り込み、そこからフォールラインで滑降。雪面は固く、もはや3月か。オオシラビソ林の突端まで滑り、一息つく。

問題はその先。ヤブの埋まり切っていないクラストした北面。

横滑りを多用しつつ、ヤブの隙間を斜滑降。快適な滑降には程遠い苦行となってしまったが、それでも楽しめた。

やっぱり、山は良いな。

私が私自身である場所、かもしれない。

 

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箕輪山 / watajin8さんの箕輪山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

2023年2月18日日曜日AM6:20

先週の連休は仕事で追われて休むことができず、2週間ぶりの休日の日曜日。

晴れ予報で、山は白く、「山行くか」と思いつつも、雑然とした家の中と、雑然とした頭の中を整理する時間も欲しく、休日が一日では間に合わない。

私には、クルマで30分走ったところから入れる山スキーバックカントリースキー)のオリジナルコースがあり、普通にブナ林もあり急斜面もあり、そこそこ満足できる場所なので、かれこれ20年以上は、箕輪さん東面のルートに通っている。

今も、頭の中では、そのコースの複数のバリエーションから、どこにクルマを止めて入山するかを考えたりしているが、さて、家を出れるかどうかがまず問題だ。

なにしろ、クルマで30分行けば入山できる場所なので、朝のしごとなんかを一段落させて、9時頃にスタートする、なんてことも今まではしてきたし、箕輪の山頂までを考えずに、ブナ林の中を登って滑ってというのであれば、正味3時間ほどの山遊びでも、今の状態であれば、そこそこに気分転換にはなるだろう。

少なくともコロナ禍前の2019年あたりまでは、ボロボロの身体になっても、一人で雪山に入り、ある時は深い雪を一人でラッセルし続け、思い描いたシュプールを描いて自画自賛の一瞬を堪能するつもりだったが、還暦すぎて、体力も落ちてきて、夜明け前に起きたらすぐに出発の準備をする、という昔の自分は思い出だけのものとなりつつある。

まあ、朝から準備を始めていては間に合わないという話もあり、山に入るなら前日のうちにスタンバイすべきであり、「これからか?」と自問自答するのであるが。

さあ、どうする。貴重な晴れの休日を。