楽山舎通信

わたじん8の日記です

2024.04.28sun 鳥海山スキー登山

ゴールデンウィークの恒例行事、鳥海山スキー登山。今年も無事登頂し、スムーズに滑降できた。

さらっとメモ程度の感想を書いておこう。

27、28、29日と三連休で、天気予報は概ね良好で、なおかつ日本各地で「真夏日」が予想されて、なかでも28日は文句なしの登山日和。この日に、どの山に行くかと悩みつつ、つまりGWの私の中では定番となっている山、燧ヶ岳、鳥海山、白馬岳の中からどれにするかというところで少し悩んだが、燧ではなく鳥海山にした。ちなみに、昨年の4月28日は白馬岳に登っていた。鳥海山は5月5日。昨年は燧ヶ岳には登れなかった。昨シーズンも少雪で、WEBに出てくる情報から「燧はパス」だった。今シーズンも、ちょっと無理っぽい。

モチベーション的には、かなり落ち目で、これで行けるんかいな、と思いつつ速攻で準備を進め、自宅で軽く睡眠を取って出発したのは午前3時。2時に出るつもりが、準備の最終チェックとモチベーションの低さ(眠気)から1時間遅め。この1時間が、大事だった。

自宅から祓川の駐車場までは、257キロ。グーグルのナビでは4時間23分。東北中央自動車道が繋がってきていて、時間的には近くなってきた。昔は鳥海山登山口まで5時間みていた。3時間台の領域に来た。

WEBにアップした登山計画書の登山開始時刻は7時。山岳遭難捜索システムのココヘリに加入し、山岳保険に加入している関係で、登山届はマスト。WEBで出す。所属団体なし、というところが、個人的な課題ではある。

山に向かって、山用の愛車フォレスターでドライブしていくと、モチベーションは一気にアップし、眠気は消えていく。ここは大事なところだ。タイヤはもちろんスタッドレスのままだ。2008年製のこのクルマについているHDDナビは、さすがに古すぎて話にならないのだが、HDDに入れ込んでいるCDがいつの間にか大量になってきて、捨てがたくなっている。ナビゲーションは、iPhoneのグーグル・マップを使うので問題ない。

どうでもよろしい前置きが長くなるが、HDDは、予め入っているCDの音楽情報とリンクして、入れ込んだCDの情報を読み取り、タイトルと曲名を表示できるようになっているが、2012年以後のCDの情報はインストールされていないので、曲名が出ない。

ということもあり、このHDDには古いCDを入れ込んでいるが、パット・メセニー・グループの「ファースト・サークル」を入れていなかったことに、最近気がついた。iPhoneには入っていて、そこからBTとFMを経由して聞くことはできるが、その音と、HDD、あるいはCDプレイヤーの音は、全く別物である。どうせ聞くならHDD、それが正解なのだ。

最初にパット・メセニー・グループのFIRST CIRCLE をHDDにRECしつつ大音量で聴き込む。このアルバムは、タイトルトラックのFIRST CIRCLE だけを聞くことが多かったが、アルバム自体が実に良い、ということに最近気づいて聞いている。このアルバムの印象を落としているのは、1曲めのForward March の調子ハズレの感じだと思う。意図的にこのマーチが来ている、ということを理解してアルバム全体を聞かないと、「なんか変なアルバムだ」で、超有名曲の First Circle だけを聞くことになってしまう。

ちなみに、このアルバムを見直すきっかけをくれたのは、挾間美帆である。4月最初の放送で最初にかかったのがこの曲。私個人的に注目している若手音楽家の一人が挾間美帆。もう一人は角野隼斗。クラシックとジャズの間に垣根がない。

前置きが長すぎるが、山に向かう間の大事な話なのである。First Circleで50分を過ごし、次に入れ込むCDは、スティーブ・ライヒの「18人の音楽家のための音楽」。演奏は、コリン・カリー・グループとシナジー・ヴォーカルズ。これについて書き出すと、またまた長くなって本編にたどり着けなくなさそうなので、ライヒミニマル・ミュージックをドライブのBGMにしつつ、トランス状態に入っていける変な登山者、が私という人である、くらいの解説に落としておこう。

そんなわけで、音楽聞いてクルマ運転していると、わりとあっという間。途中休憩買い物なし。ちなみに、東北中央道の途切れる金山町のコンビニで買い出ししないと秋田に入ってからは沿道にコンビニなし。私は、高速入る前に地元で買い揃える。コロナ以後、24時間じゃないコンビニが増えてきていて、「登山口最寄りのコンビニ」で準備しようという思う気持ちはもたない。白馬がこのパターン。

トンネルトンネルで米沢に出たあたりで、空はすっかり白み始め、すごく美しい夜明け前の山形を走るようになり、音楽と相まってテンションはどんどんあがる。

めちゃ白い鳥海山らしき独立峰が遠くに見えだしたのは、新庄あたりだったろうか。雪がないと心配していたが、十分に真っ白じゃないかと、けっこう感動した。

雄勝から国道108号に入り、すっかり明るくなって「もう登ってる時間?」、「1時間遅れ」の出発が、こうして響いてるんだよなと思いつつ、駐車場の満車ぶりを想像する。

やはり、前日乗り込みで6時登山開始が正しいと思う。登山する日の3時に家を出ていては遅い。まさに「出遅れ」。私の人生のようだ。

フォレスタ鳥海の脇の道路から祓川に上がる。雪の量は少ないとは言え昨年と同じくらい。緑の芽吹きが早すぎるようにも思う。

6時20分駐車場到着、第2駐車場にかろうじてスペースがあり即駐車。快晴の青空に鳥海山が山頂までスッキリ見えている。テンション上がる。私のあと5台目くらいから路上駐車。猿倉の駐車場にもだいぶ入っていた。

ものすごい登山者の多さで、お祭り状態。準備を済ませて7時2分に登山開始。ウインドブレーカーは着ずに、インナーの上にR1ジップアップ。これで十分。帽子は夏用。

すでに100人ぐらいは登ってそうな感じで多くの登山者の姿が見えていたが、一つのトレースに数珠つなぎという感じではなく、自分の思ったルートでどこでも登れるので、バラけている。

雪面は程よく緩んでいて、急斜面でもシールが効きやすい。アイゼンに履き替えることなく、上まで行けそう。特に急ぐつもりもなく、マイペースでのんびりのつもりだったが、同じような歩行ペースの人たちよりも前に出てしまうのは、止まらないから。ペースは遅くても、急登の途中で足を止めるということがないと、結果的にずいぶん差がつく。七ツ釜避難小屋の前で、東寄りの尾根に移るところも、雪が切れずについていて、ほとんどの人はそちらを登る。小屋のそばあたりから急登に切り替わるところでザックおろして休憩。ここでスキーアイゼンを装着する。シールの効き目が若干悪く、スリップのロスを減らしたい。

最後、舎利坂が見えてからがいよいよ本番という感じ。左側に回り込みながら直登モードで多数の登山者の中を、まるで競争してるような感じになっていく。すでに山頂付近にも多くの人。滑降している人も多い。昨シーズンもコンディションは良かったが、今年のコンディションは、昨年よりも良い感じ。ほぼゲレンデ状態。

時計見ながら、「2時間45分」という、ひとつの基準が浮かんできた。時間は全く意識してなかったが、だいたい2時間45分というのが、今までの登頂時間の基準だった。

山頂まで雪は繋がっていてスキー履いたまま登頂。人が多いので、少し下で外したが。

三角点の礎石を、雪から掘り出している状態なので、思ったよりも雪は多いという私の印象。

まあとにかく、人が多い。30分くらい休んで滑降開始。まあまあいい感じで滑られる。今シーズンはほとんど滑っていないので、滑り続けるほどの筋力がなく、止まっては滑り、の繰り返し。それでも、あっという間に終わってしまう。

黄砂で汚れた雪は、下部でストップスノーとなり、いきなりブレーキになるのが面白くなかったが、それでもやはり鳥海山は快適でクセになる場所である。東北に住んでいる山スキーヤーとしては、やはりこの山がイチオシとなる。

クルマに戻り、山を見ながら余韻に浸りつつ、片付け済ませてフォレスタ鳥海へ。

途中で見るブナの新緑が、花で一杯になっているのが目に付き、6年に一度くらいのブナの実の豊作周期からすると、これはどうなんだろうと思いつつ。ブナの花がたくさん咲いているから、必ずしも豊作というわけでもないのだろうが、毎年たくさんの花をつけるわけでもなく、ナラに比べてもずいぶんと差があるわけだが。

昨年は凶作でクマの出没が過去最多ということだったが、裏返すと、豊作の年に大量に生まれたクマがいたということで、この豊作凶作のタイミング「マスティング」の間隔が、異常気象の影響で変動しているということもあるのかもしれない。と、ここでググると長くなるのでやめておくけど。

フォレスタ鳥海で温泉にひたり、待ち時間の長い「ももや」でお蕎麦食べて帰宅の途についた。

鳥海山

登山開始

人は多いが少なめの写真

高山登

新山ピーク

行者岳方面

下山完了

第2駐車場

振り返りながら遠ざかる

新緑が緑に見えないわけ

花がすごい

豊作?

入浴500円 安すぎ フォレスタ鳥海