楽山舎通信

わたじん8の日記です

2024.02.18 箕輪山スキー登山

暖冬の2024年。ウインタースポーツ好きにとっては、「もう冬終わりか」的な気温が続く。それでも、山はそれなりに白い。山に見える雪線のラインは、じわじわと高度を上げていき、今オープンしているスキー場が、果たして10年後にどのくらい残っているのかを考えると、ぞっとする。単にウインタースポーツが消えるということだけではなくて、地球表面の温度が上がることによる、果てしない影響を思うからである。

2月中旬になって、やっとシーズンインである。正月休みは、能登半島地震の発生で、山に入ろうとするモチベーションは消えてしまい、読書三昧だった。

先週の連休は、仕事に追われて休めず、それから数日は安達太良連峰がはっきり見える好天が続き、それなりに雪があるように見えた。

クルマの移動に使う時間が、往復1時間で済むのが、地元安達太良の良いところだ。若い頃は物足りずに南会津に頻繁に出かけていたが、地元でもそれなりに楽しめる。

箕輪スキー場の反対側となる東側にはルートはないが、気がつけば20年以上通っている。冬場に入山している回数で言えば、安達太良山本山よりも圧倒的に多い。行動時間が短いが、ルートをすべて自分の判断で選んでいくので、経験値としては高くなる。

「今日行かないで、いつ行く」な快晴の朝だった。前日もその前も好天だった。

朝起きて、ひと仕事してから装備を準備し、9時登山開始の計画書をWEBにアップし、セブンで大雑把に食料買い込んで出発。国道115号土湯道路は、仕事で頻繁に走っているので、あたりの雪の少なさには今更驚かない。景色は、3月中旬のそれだ。

野地温泉方面にあがる旧道は、乾いたアスファルトが見える。まさに3月の景色だ。このまま、ヤブが埋まらずに雪が消えていくのだろうか。まさに「異常」な冬だ。

西鴉川の源頭の大きな谷を回った先にある駐車帯にクルマを置いて入山。しばらく降雪がなかったからか、雪面はガチガチで、登りやすいと言えば登りやすいが、少し傾斜がきつくなるとスリップが多くなる。甘く見てスキーアイゼンを持ってこなかった。

風が強く、行けるところまでで良いかと思いつつ、ブナ林の中をひたすら登るが、ヤブの回避とガチガチの雪面から、普通ではありえない標高からのアイゼン登行。効率的だ。

スキーのほうが快適に登れる斜面になっても、履き替えの時間ロスが頭をよぎり、そのままアイゼンでオオシラビソ林の台地まで登りあげる。最後の急斜面の数十メートルが緊張の連続だった。ウィペットもピッケルも持ってこなかったのを悔やむ。ミスって滑落したらどう止めるか、いやミスれない、と、一歩一歩の蹴り込みと体重移動を慎重に実行した。

安達太良連峰東側で唯一のオオシラビソ林がある台地に到着し、ホッと一息。風は強いが、気温が高いのか、それほど辛くもない。

アイゼンからスキーに履き替えて、オオシラビソ林に沿って箕輪の山頂を目指す。久しぶりの登山だが、身体のパフォーマンスは悪くない。「ああ、これがオレだよな」と、何度も見てきた最高の風景の中で独り言を繰り返す。やっぱり、こうでなくっちゃ。

オシラビソ林を抜けて、森林限界からの大斜面。見える風景がいつもと大きく違う。ダケカンバ類の低木が埋まってなくて、北よりの斜面が灌木帯に見える。スキーの跡さえつかない大斜面の上を、トラバース気味に登りだしたが、「ああ、これは無理」と、斜度がきつくならないうちにアイゼンに履き替える。アイゼンの爪が気持ちよく効くくらいの硬さで、サクサク直登できる。風が強いが、そのまま箕輪の山頂目指して直登していく。シュカブラの波はそれほど深くなく、雪面も自分の感覚ではフラットに近い。しかし、ガチガチの部分と若干フワリの部分のマダラが激しく、快適な滑降は難しそう。

とりあえず、いい感じのペースで箕輪の頂稜に到着。そこから「山頂」表示の登山道までが結構長いのだが、いつもは落とし穴だらけのシャクナゲ主体の灌木帯が、雪でほぼフラットに埋まっている。しかも、アイゼン履いたつぼ足でもそれなりに進める。積雪量は絶対的に少ないはずなのに、ここがフラットに埋まっているというのは、強風の日も少ないからだろうか。謎だった。

鉄山方面に、人の姿が見えた。

低い雲が流れているが、360度の展望はよく、動画撮影してインスタグラムにアップしてさっさと滑降開始。

頂稜の南側をトラバース気味に高度落とさず東面に回り込み、そこからフォールラインで滑降。雪面は固く、もはや3月か。オオシラビソ林の突端まで滑り、一息つく。

問題はその先。ヤブの埋まり切っていないクラストした北面。

横滑りを多用しつつ、ヤブの隙間を斜滑降。快適な滑降には程遠い苦行となってしまったが、それでも楽しめた。

やっぱり、山は良いな。

私が私自身である場所、かもしれない。

 

20240218083918

20240218092922

20240218100427

  20240218104021 

20240218111327

 20240218111355

20240218114948 

  20240218121127 2024021812135420240218122527      202402181231202024021812312420240218125836

20240218125839

20240218125842

20240218132347

20240218133657

 

箕輪山 / watajin8さんの箕輪山の活動データ | YAMAP / ヤマップ