楽山舎通信

わたじん8の日記です

箕輪山 2020年2月2日日曜日

2020年2月2日日曜日 晴れ
箕輪山(1728m)東面往復

記録的な暖冬と少雪の2020シーズン。このまま春になってしまうのかと思うほどに暖かい日が続いていたが、週末に寒気団が降りてきた。そして、久しぶりに見る西高東低の冬型の気圧配置。これは山日和だろうと予想された日曜日。
選択肢は、いつもの会津駒と安達太良エリア。定番以外に行き先ないのか、オレ。
吾妻は、2000年あたりまでにスキールートはほぼ制覇したのだが、基本的にリフトで上がる上り方がすきじゃないので敬遠している。

箕輪のこのルートは、マイオリジナルであり、かれこれ20年通い続けている。自宅から車で20分で入山できるコースであり、安達太良本山と同等なのだけど、何しろトレースなしで誰にも合わないのが、すこぶる良い。
「ああ、山に行きてえ、でもトレース追うのはいやだ」な気分のときにはここに入る。しかも、午後の時間を別のことに使える。檜枝岐まで出ると、移動時間含めてたっぷり一日コースになるのは、休日の使い方的には痛い。

このルートは、自分で言うのもなんだけど、上級者向け。何しろ、ルートファインディングがけっこう面倒。いや、雪山専用のルートは、どこでもそんなもんだろうが。

何度か書いているが、安達太良連峰の東面(太平洋側)では、唯一オオシラビソ林が存在する。(と思う)

まあ、「ドパウ」とかは言えないが、何度来ても飽きない魅力がある。獲得標高的には、あだたらスキー場から山頂に上がるよりも若干多いと思う。時間的には「お手軽」なんだけど、わりと難点が多くて、特に箕輪の山頂エリアは視界が聞かないとGPSに依存するハラハラ登山になる。間違って北側に踏み込むと、崖とクトーの効かない氷結の斜面になるので、注意が必要である。

記録の前置きにしてはながくなった。
まあ、自分の記録だが、考えを整理しておくことは重要だし。

コンパスに提出した登山届(ココヘリは計画書提出マストなんで)では7時スタート。が、7時の時点では、自宅で多めの朝食を食べていた。現場についたのは7時半。「あ、シール持ってくるの忘れた」
車にスキー積むときに、シール貼っていくかと思いつつ、ザックに入れずに出しておいたのを、結局貼らずに置いてきた。出てくるときに、ザックの他に着替えとか他の装備なんかを別のトートに入れてくるときは要注意だな。入れたつもりのヤツを置いてきてることは、けっこう多い。大学生の頃から同じような忘れ物してるので、ボケてるわけではなさそうだが、さて。

アイゼンだけで登ることも考えたが、昨日降ったと思える新雪が20センチはあり、スキーなしはありえんだろうと結論、自宅に戻る。往復1時間あれば余裕なので、9時には登山開始できる。というか、強風と山頂方面の視界の悪さは、1時間後に登山開始にしたほうが良いだろうという、ポジティブな判断。それはあたりだった。

正月休みに入ったときには、笹薮で話にならず、1時間で撤退したが、さすがに今回は入れた。が、表層の下は、溶解凍結層でガリガリ。やばいヤツ。

灌木のうるさいブナ帯をラッセルするでもなくキックターンの連続で上りあげ、いつもは沢筋に入るところを、雪庇の張り出す尾根筋のルートを選択した。ガチガチの斜面で、スキーアイゼンがガチガチとよくはまる。

雪庇のある尾根を乗り上げると、一度平坦になり、ここから更にブナの大木のある北斜面の急登。ここが良いポイント。最後の急斜面は滑落すると面倒なので、慎重にルートを選ぶ。何度も通ってるうちに、乗り上げのポイントは定まっている。

乗り越えると、オオシラビソ林のある平原にでる。そして、箕輪の山頂が樹林越しに覗く。自分としては、絶景のポイント。積雪期しか入れない場所だ。

しかし、いつもよりも雪が少なくて、風景の見え方が違う。すると、ルートの選択もいつもとは違うパターンで。

雪が硬いので、さっさと上がれる。いつもは北側にルートを取る大斜面。今回は南側から上りあげた。上りあげてから、山頂に向かうのに、平坦な部分は一度下りになり、ロスが多い。だから、いつも北回りなんだけど、凍っているといやらしいのが北側。南回りのほうが安全面では有利。

ほぼ主稜の高さまで上がると、風が強く身体が冷える。ここまでアンダーシャツの上に1枚のみで上がって来たが、ゴアのアウターを着込む。

止まらないで進み続けるペースで山頂まで上がる。
いつもは踏み抜きだらけになるハイマツとシャクナゲの落とし穴だらけの箕輪頂稜は、ガチガチに凍ってあるき易きことこの上なし。過去最高レベル。1728の最高ポイントを越えて箕輪山の標識のある場所まで。

いつものことながら、風が強くて長いできず、写真とってシール付けたまま滑降開始のエントリーポイントまで移動。とにかく、風強い。

頂稜の端まで来て、シール剥がして準備しているうちに曇りだしてきた。標高で100mくらいのことだけど、ここで視界なくなるとヤバいのでさっさと滑り出す。

パウダーとハードパックとシュカブラの斑で、スピード出せない。

さっさと滑りこんで、オオシラビソの森の入り口へ。風が消えた。ザックおろしてちょっとのんびりレーションタイム。
そこにおふくろからメールが来て、「精米にいく」と。「あと1時間で帰る」と返信。
こんな山の中にいて、あと1時間後には帰宅してるっていう流れは、悪くないな。

さっさと下山。雪の状態は悪くない。表層の雪を落としながら、その下の凍結層で滑る感じ。パウダーを滑っている感じには程遠い底付き。

野地温泉への道路に降りる頃に、雪が降り出してきた。温泉省略して、さっさと帰宅した。

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