2019年1月13日 箕輪山東面スキー登山
2019年1月13日。
この冬は、天気に恵まれている。年末のどか雪のあとに、穏やかな天気の正月休み。
それに続いて、第2日曜日の連休も、あまり記憶にないような好天予報である。こんなチャンスは、近場でも山に入らなければもったいない。ということで、まず一日目は自分の中では定番の、箕輪山東面。
駐車場に車を止めて、入山ポイントまで車道を歩く。登山道や、冬季ルートの紹介もない箕輪の東面に最初にスキーで入ったのは2001年の3月。あれからもうすぐ20年ということになる。毎年必ずというわけでもないが、多い時にはひとシーズンに3度入ることもある。
入山ポイントは、地図を見ながらいろいろ探ってきたが、右手にカラマツの植林を見ながらはいるこのポイントが、わかりやすくて最も効果的。
その気になれば、どこでも登れるのだけど、ルートの選び方が少し違うだけで、10分ぐらいの時間ロスの差は簡単についていく。最短ルートで傾斜がゆるいままで登れるのが理想的だが、最後の詰めが急斜面過ぎて登れないとか、全体的に考えた時には、少し遠回りでも平均的な斜度のルートを選ぶとか、ノウハウはいろいろあるが、場数を踏んでの経験が、「何も考えずに足がそっちに向いていく」山感になっていく。自分は、もう何十年も、基本的にソロなので、全ては自分の判断力の鍛錬の時間である。
いつになく、雪の状態は良い。サラサラのパウダーの深雪。
この山に通いだした最初の頃から、登りは尾根筋を使うのが鉄則だったが。下からでもよく見える雪庇のある尾根を使うのを辞めて、沢筋に変更した。もちろん、春先になれば状況によって沢に入るのは辞めるし、その時のコンディションによって変えて行くが、何年も通っていて、雪崩のデブリを見たことはないので、そのリスクはかなり低いのだろう。
この山の大きな魅力の一つが、オオシラビソの森から広がるダイナミックな大斜面。それは、山スキーフィールドとしては、どこにでもある風景なのだが、安達太良連峰の東面、つまり太平洋側でオオシラビソの森があるのは、ここだけである。奥羽山系の太平洋側では南限、ということになるか。安達太良山の森林は、基本的にはブナ帯からハイマツ帯に切り替わって森林限界に到達するが、ここは吾妻や安達太良の西側のような風景である。雪の付き方も、少し南の安達太良山とは大きく違う。
森林限界をこえて大雪面に入る。視界が悪いことが多くて、この先山頂まで行けずに引き返すことも少なくないが、今日は行ける。
雪面はハードパック。シュカブラも見える。
斜面登り終え、のっぺりとした頂稜を風に向かって「山頂とされるポイント」まで行くかどうかは、割と試されるところ。ハイマツ帯の雪付きは非常に悪く、落とし穴が無数にある。それでいて、帰りもシール剥がして滑ってこれる状況でもなく、シールをつけたまま「高いとも思えないポイント」への往復である。ちなみに、地図上の三角点は、登山道のポイントよりも東側にあるが、実際の山頂はその三角点よりも若干西側。
GPSのログで「登頂」を記録する場合には、一般的に「山頂」とされる登山道の分岐点まで行かなければならないが、ここは山頂ではない。まあ、そうしないと無雪期主体の登山で、「登頂」とカウントされないことになるので、登山道のない東面から来ると、実際には山頂ではない場所までわざわざ移動することになる。
頂稜の東端までシールつけたままトレースに忠実に戻り、シールを剥がす。
goproをザックのショルダーベルトに取り付けて、滑降開始。
ハードパックながらも、全体的に均一なので、滑りやすい。
これが、新雪の吹き溜まりとハードな斜面がまだらの状態になると、怖くてスピード出せないのだけど。
ブナ林の中のパウダーも、最良の状態で楽しめた。
自宅から車で30分で登山開始できるエリアの中では、やはりこのコースが好きである。
どんなに荒れていても、北斜面のブナ林の中だけでも楽しめる。