楽山舎通信

わたじん8の日記です

2023.04.01 会津駒ヶ岳スキー登山

実に、4年ぶりで会津駒ヶ岳を登ってきた。振り返ると、2019年の3月以来、檜枝岐には行っていなかった。もちろん、新型コロナウィルスによる移動の自粛という理由が主な理由にはなるが、この間に母親をガンで亡くすという一大事があり、登山活動から遠ざかっていた。

そして、この間に還暦をすぎた。60代に入ってしまった。2020年からの3年間の活動停滞をきっかけに、フェードアウトしていくような人生は、なんとしても避けたい、避けたかった。

とは言え、この間に全くスキー登山をしていなかったわけではなく、移動時間の往復が1時間ちょっとで済んでしまう安達太良エリアで、天候の悪い日を含めての「トレーニング」的な登山は繰り返していた。

私の過去の登山歴からすると、4月に入ってからの会津駒スキー登山というのは例がなく、最低でもお彼岸の前、というのが常識だったのだが、標高の低いエリアの「担ぎ」を覚悟して、快晴予報の週末に出かけてみた。

それにしても、4月に入ったばかりの奥会津の景色って、こんなに雪の見えない景色だっけ?というほどに雪がなく、もしやスキーを持って会津駒に登るなんてことは、場違いではないかという思いもあったが、なにしろ4年ぶりなので、スタートラインに着けただけでも嬉しい。

林道にもショートカットの杉林にも、残雪はあったが、どう考えてもツボ足の方が早そうで、結果的に「旧ヘリポート」に上がるまでツボ足で登ることになった。6時半に登山開始して、前後に3パーティで5名。私の後ろに見えていたスキーの人だけは、夏道登らずに冬道の谷に入って行ったようだった。冬道は、谷から尾根に切り替えてからのヤブがひどそうに思えて、私は避けた。

階段から上がる夏道は、半分くらいが土の上で最後の方が腐りかけた残雪の上だが、時間が早いのでいい感じに硬い。

ヘリポートの台地に上がり、ここでスキーをセット。この間に、2パーティに抜き返された。さすがに1300を越えると雪が途切れることは無さそうなのだけど、堅雪になっていてツボ足でも快適に登れそうで、というか、急斜面の斜登行切り返しのスキーよりも早そうに思えたが、スキーで登りに来たのでスキーで登る。

直登できない急斜面は、ブナ林の最初の方だけで、ダケカンバからオオシラビソの森に入っていくと、スキーの方が快適な斜面に変わる。競争しているわけでもなく、止まらずに進み続けることができるペースで休憩なしで登り続け、森林限界を抜けた。快晴の空で、会津駒の山頂はもとより、燧ヶ岳方面もよく見えていた。

森林限界の上からの斜面は、フィルムクラストがキラキラ輝いていてきれいなのだけど、雪面に踏み込むと、表面を流れていくかけらの音がけっこう耳障り。

山頂直下までで、自分の前を歩いていた登山者はすべて追い抜いたのだけど、全然違うペースでアイゼン登行してきた単独の人に抜かれながらも着いていく感じで、登山口から3時間27分、10時ちょうどに登頂できた。スローペースながらも、ラッセルが必要な時期と違って快速スキー登山ができた。風もない山頂で、まったりと30分ほど休憩。そういえば、左足のふくらはぎが微妙につり気味で、自分の場合、足がつるといえば、殆ど太ももなのだけど、登っている時の右左の斜度の違いとか、バランスの違いを認識しながら、最後まで足攣りなしで登りたい。滑りにも影響するので。

滑降は、源六郎沢方面に直というのは考えずに、登り返しなしで降りていけるコースで。源六郎滑り込んで、斜面トラバースしつつ登山道の尾根に合流する、という美味しいコースは、トラバースで切り込んだ斜面が一気に雪崩れる、という経験をしてから封印した。もちろん、その日その時のコンディションで安定度に違いはあるが、「あの斜面は雪崩れる」という経験があると、踏み込む気はしない。まして60代。10年前なら行ってしまう斜面に、行けない。経験ゆえか老化のためか。

そこそこにハードで走る雪面を一気に滑り降りて、ヤブの出始めるブナ林まで。ブナ林から先は、出始めたブッシュを避けるために、ルートを選ぶが、横滑りが快適にできるので、一度も転倒なしで旧ヘリポートまで一気に下れた。

問題は、その下。冬道の谷への入り口は、「無理でしょ」というほどにブッシュが立っていて、上の半分しか滑れないにしても夏道を選択した。担ぐにしても、夏道の方が楽なので。

ここから下は、最初滑れそうに思っても、下部で雪が消えると藪こぎで時間を消費するようになるので、「この辺で終わり」を判断してザックにスキー着けてツボ足下り。

林道に降りてから、雪が残っている場所は徹底的にスキーで下り、登山口の橋まで滑れた。12時9分下山完了、下りは1時間40分。充実したスキー登山だった。

 

装備で、「ヘルメット」忘れてきた。出しておきながら忘れた。上部よりも、下部の土が見えたあたりとかで、落石の危険性はゼロではないなと、実感。林道での全層雪崩跡が2箇所。雪解けで不安定な斜面が顔を出していることには間違いない。

 

 

会津駒ヶ岳スキー登山20230401

ガーミンログ

心拍数の測定が、途中でガクっと動くのは、時計の設定で高度補正をしている時に何かで誤作動してるのか、なんなのか不明。登りの心拍が160以上で持続はありえない。それほど負荷はかけてない。

 

 

下りで林道周りにしたのは、時間的には無駄だったが、そっちがどうなっているかを確かめられただけで良しとする。

ショートカットの杉林の中は、雪はそれなりにつながっているが、杉の落枝の量が半端なく、これは滑れないと登りで思っていたが、林道で同じような場所でも、杉の葉の上はけっこう滑れたので、ショートカットコースを滑ればよかった。