楽山舎通信

わたじん8の日記です

2023.05.03 白馬岳大雪渓BC

白馬大雪渓

2023年、令和5年の連休は、大げさに言えばパンデミック開け後初の大型連休となり、普通に考えても人出がすごいことになるのだろうなという予測はつく。

バックカントリーシーズンとしては、春の訪れが2週間も早く、雪融けがおろそしいペースで進んでいることは周知の事実であったが、だからといって冬季閉鎖の山岳道路が早く開通ということもなく、白馬の登山口となる猿倉林道も、4月29日開通という例年どうりのスケジュールだった。

さて、私は2019年以来4年ぶりの白馬遠征となった。4年前というのは、56歳。そして今は60歳。パンデミックさなかの2021年に母親を看取り、その前後のけっこうな期間は、登山やサイクリングなどの重めのアクティビティは皆無だった。

おそらく、こういう状態の中で、「今年はいいや」と思ってしまうと、歳とともに体力が低下していくと思われる中で、最初の一歩を踏み出すことが難しくなりそうだった。

GW連休の天気予報は、当初後半に雨マークの日が多かったが、3日から5日までは高気圧に覆われる周期に変わった。できれば3日で3山、という欲張りな計画が頭に浮かんだ。

前日の2日の仕事がちょっと重めで、現場から帰って来て準備しているうちに、出発が22時をすぎてしまった。

北陸道の米山SAで、2時間仮眠休憩。4時55分に、糸魚川ICを降りた。糸魚川のセブンで買い出し。

時間帯的には、国道148号はハイペースの一人旅のはずだったが、たまたま大型車の後ろになってしまい、結局白馬に着くまでトロトロと後ろを走った。まあ、その影響による遅れは10分以内のことだと思うが。

白馬に入り、最初に見えるセブンは、なんと開店前。ああ、糸魚川で買い出ししておいてよかった。最近、地方のコンビニは24時間営業ではない店舗が増えだしていて、深夜早朝に最寄りのコンビニで買い出しする習慣は修正しておかねばならない。前日に、明るいうちに買い物済ませておくのがベストだ。

6時10分、猿倉の駐車場に到着。駐車場の案内係の人が3人くらいいて誘導してくれた。すでに満杯に近かった。快晴の空に白馬連山がきれいにみえていて、テンションがあがる。自宅でザックにパッキングを済ませていないので、ここで忘れ物ないようにチェックしながらのパッキングに45分費やした。7時18分、登山開始。

白馬尻で雪渓に入るまでシートラ。私の前に8人ぐらいの大学生含むと思われるパーティがいて、両手にモノ持った状態だったりして、この残雪ある林道歩きがなかなかにネックだなあと思っている私には、ちょっとショックな光景であった。

結局のところ、白馬尻で休憩しなかった私は、シートラのまま雪渓を登りあげることにした。雪の状態からして、スキーで登りあげるにしては、上部が少々つらい。足元の付け替えしているくらいならば、シートラのままのアイゼン登行でよい。あ、アイゼン着けるために止まってザック下ろしたな。

自分としては、けっこう良いペースで上がってたが、葱平の下のあたりから足がツリ気味になり、スローペースに落ちる。避難小屋の上のあたりで、ザック下ろしてレーションタイム。けっこうバテている。最悪、村営小屋まででいいかなあとか、弱気になりつつも、登りだすと再び気合い入れてなんとか登りあげた。

白馬山荘にザック置いて、山頂ピストン。山頂がそこに見えて、行かない理由がない。

春の白馬に通うようになり、24年目だろうか。30代後半に意気揚々と始まって、還暦となった。とりあえず、還暦でも4年ぶりに登頂できたということが、じんわりと嬉しかった。自分の技術と体力から言って、さらに難易度の高い日帰りルートというのが思い浮かばず、スキー板を石でガリガリ傷つけながらも、できれば70歳ぐらいまでは平気で登りあげたいと思うが、さてどうなるか。

 

山荘の近くでのんびりと休み、近くにいたボーダーと話し込んだりして、結局その方と一緒に滑降することになった。雪が切れていたりして、滑りが不安だったので、他の人と一緒に行動できるのは安心できる要素となり、ボーダーと一緒に弧を描いて落ちていくのが、なんだか実に楽しかった。

山荘前から少雪渓の下あたりまでは、過去最高と言ってもいい雪質で、大雪渓の中盤あたりで石を踏み出すまでは楽しかった。その後は、石を避けながら、となるが、結局のところ傷だらけとなった。

白馬尻でシートラに変えて、まだ雪の着いてる林道の下山。登りに6時間かかっても、下山は2時間。4時に駐車場に到着した。

白馬は、交通量が多く、コンビニも大混雑だったので、温泉は自粛(という言い方がいいかどうかは別として)。食べ物はコンビニとレーションのあまりで済ませて、148号を糸魚川に下りた。糸魚川から高田まで、夕日が沈んでいく日本海を眺めながら国道8号線を走った。

北陸道よりも、圧倒的に国道8号線が好きなので、景色の見えない夜中は別として、夕日が沈んでいくタイミングというのは、貴重だった。あえて停止して写真撮影もしなかったが、脳裏には焼き付いた。上越市でスタンドに寄って給油の予定だったが、セルフを探しているうちにICまで走ってしまい、「まあSAでいいか」と、そのまま北陸道へ。

で、SAのスタンドのレギュラー単価は、まさかの184円。しかし、給油のクルマで行列だった。なんか、普通の連休が戻ってきたなと、ちょっと損したけど、少しうれしくなった。