楽山舎通信

わたじん8の日記です

BBC Proms JAPAN 2019 Prom3/JAZZ from America

令和元年(2019年)11月1日(日)

BBC Proms JAPAN 2019
Prom3/JAZZ from America』(ジャズ・フロム・アメリカ)東京渋谷・オーチャードホール 

聞き慣れないコンサート名だったのだけど、BBC Promsは、基本的にはクラシックの演奏会で、1日だけのジャズ。
とにかく、参加ミュージシャンが豪華すぎる共演で、そのうえ、今年に入ってから気になっていた「挾間美帆m_unit」の、日本国内では貴重な演奏が、東京の、しかもBunkamuraオーチャードホールであると知っては、行かねばなるまい。
これは、2019年に外せない1本だった。

この日、東京に向かう新幹線の中で、財布を持たずに出てきたことに気づいた。
東京到着後の予定を考えていて、原宿→明治神宮→お賽銭・・という連想のなかで、「あ、財布もってねえ」。

新幹線のチケットはモバイルSuicaに往復分を確保しているし、オーチャードホールのチケットは持っているし、飲食はSuicaが使えれば問題ない。スマホのバッテリーさえ切れなければ、とりあえずキャッシュレスで問題ないなと再確認。しかし、賽銭あげられないのに明治神宮ってのもどうかと思い、神宮プランは消滅した。

さて渋谷。前日の10月31日がハロウィンで大騒ぎだったらしいが、この日もお祭りみたいに人が多かった。スクランブルスクエア(渋谷再開発拠点)のオープンとかで、田舎者には全然太刀打ちできない混雑だった。

コンサートの開場までに時間あったので、タワーレコードMARUZENジュンク堂書店を徘徊。しかし、モバイルSuica以外に金使える方法(キャッシュカードもない)を持たないので、何も買わず。しかしながら、本もCDも、いつもネットしかみてないけど、やはり実店舗に足を伸ばすのは大事だな。クラクラした。

やがて夕暮れとなり、本日オープンで最初の夜景となるスクランブルスクエアの明かりを「文化村通り」の先に振り返りつつオーチャードホールの開場待ち。ここは、最低でもジャケット着用ぐらいじゃないと、なんかカッコつかないな。

開場時間10分前くらいに、すごい勢いで人が集まってきて、開場。エントランスからホワイエの雰囲気が、田舎のホールなんかとは全く違い、テンション上げてくれる。
席は3階バルコニー席のL10-1。帰りの新幹線に間に合わなくなる恐れがあるため、途中退席を頭に入れて誰にも迷惑かけずにドアから出られる位置。サイドからだけど、ステージはよく見える。音響も、自分的には文句なく最高。

席は8割くらいは埋まっただろうか。バルコニー席は、ほぼ満席。ステージに演奏者が続々と出てきていよいよ開演。ビッグバンドで、ジャズというよりクラシックの雰囲気。作曲者自らが指揮をするというのは、これはもう、ただの生演奏ではなく、音楽が生き物として空間を占拠してしまうという、そんな感じ。

実際、m_unitの演奏が始まるやいなや、私の大脳皮質の裏側に電流が走りまくり、アドレナリンの分泌がマックス。脳が、涙を流しているという、そんな感じ。

演奏そのものを、文章でまとめ上げるほどの能力は、自分にはないので、この音楽をどう表現すべきなのかは迷うが、後半に控えた大御所たちの演奏からすると、これは「前座」的な意味合いだったのかもしれないけれども、キャッチーなフレーズのジャズ・フュージョンやボサノバと比べると、音の重なり合いやテンポ・リズムの動きや幅が実に壮大で、終わってみると、自分にとってはこの挾間美帆m_unitの演奏の方が、この日のメインとなった。

第1部の最後に、右からリー・リトナー、左からデイブ・グルーシンが登場。割れんばかりの拍手。どちらも、挾間美帆の才能を褒め称えていたな。英語の細かいところはわからないが。
たしか、そこで2曲共演して、第1部の終了。

第2部の開始まで20分の予定だったのだが、音響機器のセッティングに何か問題があったようで、10分オーバーした。自分にとっては、この10分が痛かった。第2部の演奏開始で、すでに8時30分。郡山まで行ける最終の新幹線は、東京発21:44。遅くても50分には出ないと、これには間に合わないな、と時間が気になって音楽に集中できなくなりだす。

第2部は、ボサノバ系。リー・リトナーデイブ・グルーシンの演奏は、耳馴染みのある曲ばかりで、第1部の構成とはガラリと変わる。途中で小野リサが登場し、2曲。そしてイヴァン・リンス。どちらももはやボサノバシンガーの中では大御所という風格。特に、イヴァン・リンスの歌を日本で聞ける機会というのは、そうそうないに違いない。

しかし、登場して1曲歌い終わったところで、自分は泣く泣く曲間退場。

このホールをコンサート中に外に出るというのは、なかなかに勇気がいるが、ドアそばの端の席だったので、迷惑かけずに出られた。

文化村通りは、嘘みたいに混雑していて、「やべえ、これは間に合わない」パターンにはまる。

東京駅に行くのは諦めて、埼京線で大宮乗り換えを選択したが、その電車が途中で緊急停止し、5分ぐらい遅れて「ああ終わった」と。

実際は、大宮駅での新幹線乗換に最低でも10分ぐらいの時間が必要だったので、埼京線の遅れがなくても乗り換えは無理だった。

この時点で、大宮で宿泊、宇都宮まで行って宿泊。最終新幹線の終点那須塩原で宿泊という選択肢が出てきたが、何しろキャッシュレスの上にキャッシュカードも持っていない。あるのは、iPhoneに入れてるスイカのみ。

モバイルSuicaで決済できる宿を検索すると、まあそれなににあるにはあるが、全てのホテルが対応できるわけでもなく、宿泊するぐらいならば、公演を最後まで見てから宿泊で良かったじゃないかと自問。

とりあえず、最終の新幹線で那須塩原まで行って、そこで判断しようと、なすの279号乗車。やはり、那須塩原までクルマできて、帰りにこの新幹線使うのがベストだな。どうせ酒は飲まないわけだし。

那須塩原で降りて、とりあえずセブンで食料調達するかと行ってみると、なんと、今日(11月1日)から12時閉店とかで、閉店準備。なんてこった。しょうがないので、駅の反対側の国道4号線に出て、しばらく歩いたところのセブンで食料調達。どのみち途中で野宿できる気温じゃないので、久々のオーバーナイトハイクで新白河を目指す。

グーグルマップで「徒歩」を選ぶと、30キロで6時間程と出る。まあ、40キロ以内であれば、フルマラソン以下の距離でもあり、しかも平地なので歩けるだろ。

問題は、寒さと暗さ。ライトは自転車用のモノを持っていたが、バッテリーがUSB充電タイプで、どこまで持つかわからない。こんなオーバーナイトハイクは想定外なので。
それよりも問題なのは、寒さ。着てきたのは、フードなしの薄手のジャケットで、しかも帽子を持っていない。とりあえず、手拭を深めに頭にかぶりしばらく歩いたが、気温2度表示で風もそこそこ出てくるとこれが耐えられなくなり、黒磯のコンビニでタオルを買い、それで耳まで覆ってしのいだ。

国道4号線。自分は、クルマでもかなり走っているし、自転車でも走っているので、新白河までの道のりはだいたいイメージできている。まあ、市街地じゃなくて真っ暗な峠越えイメージだよな。

県境あたりから空が白見出し、朝の6時に新白河に付いた。那須塩原を出て1時間後から計測モードにした歩数計は4万1千歩。25.94キロ。計測しなかった最初の50分で4キロ歩いたとすると、グーグル・マップ表示の30キロとピッタリ。歩くの楽しいな。マジで。

しかし、基本的に自転車での移動メインなので、「10キロ」表示が「すぐそこじゃん」って気分になるけど、歩くと2時間かかる。

今回、歩くことに専念して走らなかったのは、汗かいて冷えると、その処理がどうしようもないからで、とにかく、「汗をかかない程度のスピードで止まらない」がポイントだった。

 

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東急Bunkamuraに掲げられた幕

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渋谷駅のスクランブルスクエアを文化村通り東急前からみる

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そして翌朝、全くの予定外に新白河駅から新幹線に乗ることに

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那須塩原の駅を出て1時間後にカウントはじめた歩数計は、41177歩

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オーバーナイトハイク、ガーミンのライフログ表示

まあ、こういうこともある。

常に山装備のヘッドライトは持ち歩き、歩きやすい靴を履き、そこそこに寒さをしのげるアウターを持っていなければならないと、再認識。