楽山舎通信

わたじん8の日記です

2022年3月31日木曜日 年度替わりの雑感

3月31日と、4月1日の間に、明確な差があるような仕事でもないので、「年度末」を意識するほどの日常でもないのだが、それでも「年度」の切り替えによる変化は、暦の上での新年の変化よりも大きなものがある。

目に見えて変わることとして、放送プログラムの再編ということがある。

今年の場合、NHKFMで言えば、土曜日朝6時の「ビバ合唱」のナビゲーターだった大谷研二さんの卒業というのが、個人的には最も大きなトピックだった。

「合唱」というと、学校音楽における合唱がイメージされてしまい、ここは「敬遠」という感じだったのだが、NHKFMの平日の6時台は、「古楽の楽しみ」を毎日聞くため、必然的に土曜日の朝もNHKFMを聞くことになり、いつしか大谷研二さんのナビゲートする「合唱」の持つ新たな魅力に引き込まれた。

「合唱」といっても、大谷さんが紹介する音楽では、クラシックからジャズまで幅広く、さらには「ジェイコブ・コリアー」という、全く新しい合唱音楽の世界を生み出す才能の紹介もあった。学校の教科書的な「合唱」とは、ある意味で全く異なる世界なのだけど、「人と人が、声をあわせる音楽」という原始的な意味において、「合唱」が、学校音楽の世界だけに限定される必要はないのである。あるいは、クラシックやジャズというカテゴライズさえも、そもそも無意味なことかもしれない。

放送の中で、普段はジャズをよく聞いていると話していた大谷さんの選曲は、やはり私の好みに合っていた。

NHKFMで、もうひとつの話題は、Session2022。

昨年、2021年3月27日(28日)、NHKFMで42年続いていたジャズプログラムの「セッション」が最終回を迎えた。

もうほんとうに、この時のやりきれない悲しみ。私の場合は、ある意味で番組枠を奪っていった「ジャズトゥナイト」の大友良英さんを憎みさえした。土曜日の夜11時台の放送は、最終週が「セッション」だったものが、ジャズトゥナイトに奪われてしまったという印象だった。まあ、いいがかりなんだけど。

私は、この最終回は録音しておいたので、たまに聞くのであるが、ナビゲーターの濱中博久さんが、最後に紹介したピアニスト海野雅威(うんのただたか)のメッセージが、番組復活への希望でもあった。それは同時に、2020年9月27日に、在住先のニューヨークで暴漢に襲われて、ピアニストとして復活の日々を過ごす海野自身の復活への希望ともリンクしていた。

そして、海野雅威は、ピアニストとして復活し、アルバムを送り出し、ライブも開催し、NHKFMのジャズトゥナイトにゲスト出演もした。

ちょっと話がそれたが、「セッション」も、2022年の1月に「新春スペシャル」として、復活登場した。そして、2022年の2回めとなる放送が「新緑スペシャル」として発表された。ただし、なぜかFM枠ではなくて、AMのR1(ラジオ第一)。

放送があるだけでも感謝感謝ではあるが、なにゆえ「R1」なの?

いや、これは絶対にFMの電波で送り出すべきクオリティの録音ではないのか。いや、まあネットラジオで聞けば、FMもAMも関係ない。民放AM局の場合は、例えばラジオ福島なんかはもはやFMで聞くのが普通になっているし、FMとAMの違いを感じるのはNHKのラジオ放送ぐらいのものかもしれない。

ともあれ、「新緑スペシャル」として、50分×3で3組のセッションが聞けるのは、ジャズファン的には、大ニュースといっていいかもしれない。

これは、熱烈な多くのジャズファンからのメッセージによって、文字通り「復活」への道を形にした、と言っていいのかもしれない。

というあたりで、朝のブログタイム時間切れ。

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これ聞きながら