楽山舎通信

わたじん8の日記です

2023.11.28(火) ベルリン・フィル八重奏団 ふくしん夢の音楽堂 鑑賞

大荒れの天気の火曜日、午後6時半開演のコンサート鑑賞で「ふくしん夢の音楽堂」へ。強風の影響もあってか、車の流れが悪く、現地到着は6時少し前。と、駐車場に満車の表示。空車待ちで並ぶことはできず、満車の時に使っていた県文化センターの駐車場に向かうと、閉館なのか、警備員もいてゲートから入れず。すかさず駐車場検索しても、音楽堂付近にはコインパーキングがない。が、隣接のヨークタウン駐車場が「有料」で出てくる。そういうモードもあるのかと入ってみるも、「高額注意 1時間2000円」の表示がしつこく出ている。入口前には、「競馬場利用者駐車禁止」表示。

さすがに「音楽堂利用者」とは書いていないが、買い物客以外の駐車が、迷惑になるくらい多いのだろうと察せられた。駐車券はないが、カメラで車とナンバーをチェックしていて、この際、高額でもなんでもここしかない、と駐車。開演7分前。

開演前に滑り込みセーフで着席。プログラム開く余裕もなく、演奏者の登場を待つ。ほぼ満席に近く、正統派のクラシックファン的な上品な女性が目立つ。自分の周囲もずらっと女性。もちろん、自分みたいなオッサンも多い。4000円でベルリン・フィル室内楽が聞けるのは、超お得。それにしても、平日の夕方で駐車場満車は痛い。

演奏者の中で、名前を知っていたのはヴィオラのアミハイ・グロスだけだったが、なんと変更でパク・キョンミンに差し替えられた。アミハイ・グロスは、ピアニストの三浦謙司とのデュオ・リサイタルを「クラシック倶楽部」(NHKBSP)で見て、印象深かった。

私は、弦楽五重奏にホルン・ファゴットクラリネットを入れた八重奏を聞くのは初めて。

一曲目は、シューベルトの「6つの楽興の時」。6楽章編成の一曲ではないので、ひとつ演奏終わる度に拍手したくなるが、弦楽と木管金管の対比が実に素晴らしくて、「美しい」とは、こういうことを言うのかと。私には、とりわけクラリネットの音色が暖かく優しく聞こえてきて、実際、クラリネットが八重奏の主役的という気がした。それぞれの楽器が、ソロのように際立つパートもあった。

それにしても、中規模ホールの音楽堂は、音が良い。座席の位置にもよるのだろうけど、とりわけ弱音のささやきが、2階席なのに目の前で演奏しているように聞こえてくる。はっきり弱音なのに、とにかくクリアだった。まあ、演奏者も楽器も、世界最高峰。いつも聞いている日本のオーケストラも一流だけど、やはり何かが違う。楽器?

二曲目は現代音楽。《テクスチュア》八重奏のための(日本初演細川俊夫

ヴィオラでチューニングしているのかと思ったら、いきなり始まっていた。現代音楽の持つ、張り詰めた緊張感。次の展開を予想できない。しかし、私はそんな現代音楽が好きである。奏法も、普通のクラシック音楽とは異なり、音もエキセントリック。

と、思い出してもどんな音楽だったかわからない。キャッチーなメロディじゃないので、記憶のおぼろげな私の脳には残らない。でも、すごく幸せな気持ちになって前半が終わった。

20分の休憩時間に、ヨークタウンに止めた車を一度出す、という貧乏性な考えも頭をよぎったが、そんなことはどうでもいいくらいに音楽に酔いしれて、パンフレット読みつつ後半へ。

後半は、シューベルトの八重奏曲ヘ長調 作品166。

室内楽にしては、予想外の大曲で、個人的にはやはりクラリネットが良かった。音色の響きが、ファゴットやホルンよりも華やかだし、音の表情がもう本当に超一流という印象だった。

鳴り止まないカーテンコールで、アンコールが欲しかったが、残念ながら客席の照明が明るくなった。

今年は、ずっとピアノリサイタルばかりを聞いてきたので、室内楽が新鮮で、というか、室内楽を耳にする機会は少ないので、「これが今年の一番だな」と思える演奏だった。まあ、ピアノリサイタルとはジャンルが違うので比較にならないが。

そういえば、コロナ禍に入る直前の2020年2月1日。郡山市民文化センターベルリン・フィルのピアノ四重奏を聞いた時、ちょっと涙出そうで我慢するくらいの音だったのを思い出した。それが、コロナ禍前最後のコンサート鑑賞で、ベルリン・フィルはそれ以来ということになる。編成が違うが。やはり、音が違う。この感じは、なんなんだろうか。音が冴えている。「最高峰」は、やはり細かいところで、求めてるレベルが違うのだろうな。

演奏は最高だったが、「高額注意」の駐車場から車出すのが、いきなり憂鬱。

ところが、音楽堂からまっすぐヨークタウンの駐車場に向かう人が、自分の他にもけっこういて、「精算器」の前に並ぶ。「4000円じゃなくて6000円かな」千円札で6枚ないから、クレジットカード使うか」なんてドキドキして精算したら、なんと「500円」

「え? なんで500円?」と思ったが、音楽堂駐車場難民に優しいプログラミングがされているのだろうか。入庫出庫のタイミングと、演奏会の開演終演とのマッチング。

今回、駐車場の件では、いろいろと勉強になったが、後で音楽堂のホームページ駐車場の情報みたら、無料の第2駐車場ってのがあったではないか。知らなかったし、案内もなかった。今度行く時は、最初から第2駐車場を目当てにしてみよう。

ベルリン・フィル八重奏団

プログラム